きっさこ和束の建物は、母屋は南側が間口二間弱の厨子二階切妻造り、北側が間口二間半の総二階切妻造りの二列三室型の建物である。

外観の意匠は南寄りに戸口、仕舞屋格子、北寄りに犬矢来を備えた高塀が続き、仕舞屋に大塀造りが組み合わさった表構えとなっている。

出格子は伝統的な親子格子が、高塀は柱、腰板、土壁共に素材を生かした表情豊かな当時の意匠が継承されており、町並みを彩っている。

建築年代は表構えと構造材の樹種の違いから判断し、明治~大正頃に建てられた厨子二階の建物を昭和初期に北側のみ前庭を持つ総二階に改修したと考えられる。この建物は南側と北側とで建った年代が違うというのが大きな特徴です。ゆえに表側から見て屋根の高さが違う構えになっているのです。京町家の特徴をたくさん残しているすばらしい建物です。

鍾馗さん 小屋根に飾られている魔除けの神様です。右手に剣を持ち睨みを利かせています。

出格子 窓から外へ張り出して作ってある格子。形や様式によって職業を表現していました。

通り庭 玄関から奥まで連続する土間の空間です。現在の台所にあたる空間で、おくどさんや井戸があります。

犬矢来 竹で組んだ緩やかな曲線を描いた囲いで雨の跳ね返りなどから壁を守ります。

坪庭 町家には必ず庭が組み込まれ、薄暗くなりがちな部屋の中に光や風を通して、四季折々の情景を織りなしてくれます。

「はしりにわ」の上部には、大屋根までの小屋組みが見上げられる吹き抜け「火袋」が広がります。下からの煙が抜け、天窓や高窓からは光や風を通します。